リノベーションで使える補助金制度について知りたい!
「次世代省エネ建材の実証支援事業」って制度があるらしいけど、よく分らない!
こんなお悩みにお答えします。
本記事の内容
- 「次世代省エネ建材の実証支援事業」とは何か
- 制度の使い方3ステップ
- 制度を使うときの注意点3つ
本記事の信頼性
こんな人におすすめの記事です
- リノベーションで使える補助金制度の内容を知りたい
- リノベーションで使える補助金制度の利用方法を知りたい
- コストを抑えてリノベーションがしたい
「次世代省エネ建材の実証支援事業」とは、リフォームやリノベーションをするときに使える補助金制度の1つです。
概要は次のとおり。
- 補助金を利用できる人
- マイホームを所有している人
- これからマイホームを所有する人
- 補助される金額
- 戸建ては最大300万円/戸
- マンションは最大125万円/戸
補助金制度を知っているかどうかで、金銭面の負担が大きく変わります。使えるものは使いましょう。
補助金を受けるための条件も詳しく解説するので、最後までお付き合いくださいませ。
それでは詳しく見ていきましょう。
※この記事は「自宅をリフォームまたはリノベーションをする人向け」にポイントを絞って解説します。制度の全容を知りたい方は、こちらのサイトで詳しく解説されていますので、参考にしてみてください。
2021 省エネ改修(次世代建材)補助金(300万円) の早わかり解説 | 次世代省エネ建材の実証支援事業の概要
次世代省エネ建材の実証支援事業とは?
「次世代省エネ建材の実証支援事業」とは、リフォームやリノベーションをするときに使える補助金制度の1つです。
制度の趣旨は次のとおり。
既存住宅における消費者の多様なニーズに対応することで省エネ改修の促進が期待される工期短縮可能な高性能断熱材や、快適性向上にも資する蓄熱・調湿建材等の次世代省エネ建材の効果の実証を支援する。
一般社団法人環境共創イニシアチブ HP
簡単に言うと、「省エネ性能や快適性の向上が期待される建材について、その効果を実証する改修工事は補助金で後押しするよ!」ということです。
そして、制度の対象になる改修工事は次の2つ。
- 外張り断熱改修工事
- 内張り断熱改修工事
文字通り、「建物の外側に断熱材を張るのか」、「建物の内側に断熱材を張るのか」が2つの違いです。
- 外張り断熱の特徴
- 柱などの外側から断熱材を張るため、隙間なく断熱できる。
- 気密性が高く、内張り断熱に比べて断熱の効果が大きい。
- 内張り断熱に比べてコストが高い。
- 結露対策が必要。
- 内張り断熱の特徴
- 柱と干渉する部分は断熱できないため、完全に断熱できない。
- 気密性が低く、外張り断熱に比べて断熱の効果が小さい。
- 外張り断熱に比べてコストが安い。
- 結露対策が必要。
制度の概要は次のとおり。
- 外張り断熱改修の場合
住宅区分 | 戸建て住宅 | 集合住宅 |
補助対象となる申請者 | 個人の所有者または所有予定者 | ー |
補助対象となる申請の要件 | 常時居住する専用住宅 | ー |
補助対象となる製品 | 改修に用いる断熱材及び窓・玄関ドア等の開口部材 本事業に登録されている製品 高効率換気システム | ー |
補助率 | 補助対象経費の1/2以内 | ー |
補助上限金額 | 300万円/戸 | ー |
補助下限金額 | ー | ー |
- 内張り断熱改修の場合
住宅区分 | 戸建て住宅 | 集合住宅 |
補助対象となる申請者 | 個人の所有者または所有予定者 | 個人の所有者または所有予定者 |
補助対象となる申請の要件 | 申請者が常時居住する専用住宅 | 申請者が常時居住する専用住宅 |
補助対象となる製品 (改修必須) | 断熱パネル 潜熱蓄熱建材 | 断熱パネル 潜熱蓄熱建材 |
補助対象となる製品 (改修任意) | 断熱材 防災ガラス窓 窓 玄関ドア 調湿建材 | 断熱材 防災ガラス窓 窓 玄関ドア 調湿建材 |
補助率 | 補助対象経費の1/2以内 | 補助対象経費の1/2以内 |
補助上限金額 | 200万円/戸 | 125万円/戸 |
補助下限金額 | 20万円/戸 | 20万円/戸 |
詳しく解説していきます。
また、今回解説する制度とは別に、「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」という補助金制度もあります。詳しくは以下の記事で解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
【初心者向け】リノベーションで使える補助金制度①「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」について解説!
補助対象の申請者と申請要件:誰がどんな条件で使えるのか
補助対象の申請者と申請要件は、次のとおりです。
- 補助対象者:個人の所有者または個人の所有予定者
- 申請の要件:申請者が常時居住する専用住宅(原則、店舗や事務所との併用は不可)
要するに、「マイホームを持っていて、自分で住んでいる方」、「これからマイホームを持って、自分で住む予定の方」は対象です。
ただし、建物の種類によって選べる改修方法が異なるので、次の点に注意しましょう。
- 戸建ての場合:「外張り断熱改修」、「内張り断熱改修」のどちらかを選択できる
- マンションの場合:「内張り断熱改修」のみ選択できる
※マンションの場合は、専用部分しか工事ができないため、内張り断熱改修のみとなってしまいます。
補助対象となる製品:何に対して使えるのか
補助金の対象となる製品(未使用品)は、次のとおりです。
- 外張り断熱改修の場合
- 改修に用いる断熱材及び窓・玄関ドア等の開口部材
- 高効率換気システム
- 断熱パネル、潜在蓄熱建材、内窓、調湿建材
※③については、事業へ登録している製品であることが条件。
- 内張り断熱改修の場合
- 断熱パネル(必須改修)
- 潜熱蓄熱建材(必須改修)
- 断熱材(任意改修)
- 防災ガラス窓(任意改修)
- 窓(任意改修)
- 玄関ドア(任意改修)
- 調湿建材(任意改修)
※①〜⑦まで全て、事業へ登録している製品であることが条件。
どんな製品が補助の対象に該当するのか、詳細を覚える必要はありません。
外張り断熱改修と内張り断熱改修で、対象となる製品が違うということを押さえておきましょう。
リノベーション会社へ相談できる状態であればOK。補助対象製品の詳細はプロを頼りましょう。
※補助対象製品は、一般社団法人環境共創イニシアチブのHPで検索することがきます。もし、詳細が気になる方はチェックしてみてください。
補助対象の工事:どうなれば使えるのか
補助対象の工事は、それぞれ次のポイントを押さえておく必要があります。
- 外張り断熱改修の場合
- すべての外壁を外張り断熱工法で改修すること
- 原則、すべての開口部を改修すること
- 原則、既存構造材を撤去しないこと
- 内張り断熱改修の場合
- 「断熱パネル」または「潜熱蓄熱建材」を用いた改修が必須 ※1
- その他の材料は※1と同時に改修すれば補助の対象
断熱効果を確認する方法は、それぞれ次のとおりです。
- 外張り断熱改修の場合:工事完了後に効果測定を行う(1日間の気温測定)
- 内張り断熱改修の場合:効果確認の要求事項はなし(ただし、改修に必須の製品指定あり)
「外張り断熱改修を行った場合、工事完了後に改修の効果を確認する必要がある」ということだけ覚えておきましょう。
補助率と補助上限金額:いくら使えるのか
補助率と補助上限金額は次の表のとおりです。
断熱区分 | 補助対象経費 (設計費) | 補助対象経費 (材料費) | 補助対象経費 (工事費) | 補助率 | 補助上限金額 (戸建住宅) | 補助上限金額 (集合住宅) | 補助下限金額 (戸建・集合住宅) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
外張り断熱改修 | 対象 | 対象 | 対象 | 補助対象経費の1/2以内 | 300万円/戸 | ー | ー |
内張り断熱改修 | 対象外 | 対象 | 対象 | 補助対象経費の1/2以内 | 200万円/戸 | 125万円/戸 | 20万円/戸 |
制度を利用すると、「戸建ては最大300万/戸、マンションは最大125万/戸の補助金が受けられる」ということを覚えておきましょう。
※内張り断熱改修において、補助対象経費の合計は40万円/戸以上であることが条件となります。
制度の使い方3ステップ
まずは、制度を使うときの流れを押さえておきましょう。
手続きの流れは次のとおりです。
- 申請スケジュールを確認して、交付申請する
- 「交付決定通知書」が発行されてから、契約・着工する
- 工事完了後に、「完了実績報告書」を提出する
詳しく見ていきます。
申請スケジュールを確認して、交付申請する
公募期間は次のとおりです。
- 一次公募:5月中旬から7月中旬
- 二次公募:8月初旬から10月下旬
上記の期間以降も公募されている場合があります。詳しくは、一般社団法人環境共創イニシアチブのHPを必ずチェックしましょう。
審査・選考は申請の到着順に行われ、随時採択されていきます。
公募期間内であっても、補助金の予算に達した日の前日に公募は終了しますので、制度の利用を考えている方は早めの申請を行いましょう。
「交付決定通知書」が発行されてから、契約・着工する
契約・着工は、「交付決定通知書」が発行されてから。
「交付決定通知書の発行」=「補助金制度の利用を許可します」
このように覚えておきましょう。
工事完了後に、「完了実績報告書」を提出する
補助金を受け取るには、「条件に沿って工事をしたこと」を証明しなければなりません。
「完了実績報告書を提出すること」=「条件に沿って工事をしました、補助金を支給してください」
このように覚えておきましょう。
制度を利用するときの注意点3つ
制度を利用するときの注意点は、次の3つです。
- 施工業者は補助事業に対応できる業者から選択する
- 契約・工事に着手する前に補助金の申請をする
- 他の補助金制度と併用することはできない
詳しく見ていきましょう。
施工業者は補助事業に対応できる業者から選択する
補助事業に対応できる業者さんであれば、依頼先は自由に選択できます。
ただし、補助金交付等停止措置または指名停止措置が講じられている事業者などは除きますので注意が必要です。
契約・工事に着手する前に補助金の申請をする
補助金の交付決定前に契約・工事した場合は、制度を利用することができません。
制度の公募の時期も限られているので、工事の時期、住み始める時期を鑑みてスケジュール管理することが大切です。
はじめの段階から補助金制度を利用したい旨、業者に相談しておきましょう。
他の補助金制度と併用することはできない
国の補助金制度を二重に受け取ることはできません。
例えば、グリーン住宅ポイント制度との併用は、原則不可となっています。
※ただし、各制度で補助対象経費の範囲が重複しないときは、併用が可能になる場合もあります。事前に施工業者や補助金の執行団体に相談してみましょう。
まとめ:次世代建材を使って断熱改修!制度を活用してお得にリノベーション!
「次世代省エネ建材の実証支援事業」について解説しました。
まとめると次のとおりです。
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業とは
- 次世代建材を利用した「外張り断熱改修」と「内張り断熱改修」を支援する制度
- 戸建ては最大300万円/戸、マンションは最大125万円/戸の補助金を受けられる
- 補助金を利用できる人
- マイホームを所有していて、リフォーム・リノベーションする人
- これからマイホームを所有して、リフォーム・ノベーションする予定の人
- 制度利用時の注意点3つ
- 施工業者は補助事業に対応できる業者から選択する
- 契約・工事に着手する前に申請をする
- 他の補助金制度と併用することはできない
結論、使えるものは使いましょう。
今回は以上です。